※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
2年ぶりの再訪、十条のサケラボトーキョー。
今回は茨城の友人がこちらのお店に行きたいとのことで、週末の昼飲みに参戦。15時スタートですが、熱気ムンムンの満席。
昼飲みでも予約必須の人気店です。
おまかせ料理8品コース「飲み比べプレミアム+料理8品」大満足の2時間30分
2年前は5600円のコースでしたが、昨今の物価高及び日本酒高の影響で1000円アップの6600円。
それでもたくさん飲める人だったらかなりお得なコース。この日の日本酒レジュメはこちら。知らないお酒もちらほらとラインナップ。
飲み比べは飲み放題…と違って、一人4合まで。
さらに同じお酒のおかわりはできないので、飲める分だけ色々な種類のお酒を飲むことになります。通常60mlですが、とにかく種類を飲みたい人には30mlでの対応もあり。
でも満席で忙しい店員さんを捕まえるのがやや億劫なので、60mlでいいかなと思います。
ということで、お酒ください…
ちなみにビールやサワーなども飲み放題。ここだと初手にビールはあまりいないようで、みなさん最初から日本酒コール。
同席者ももちろん日本酒。
乾杯酒におすすめだという千葉九十九里「寒菊 銀海」新酒です。
しぼりたてのフレッシュ感とちょっぴりピチピチ。フルーティーで飲みやすいので乾杯酒にはもってこい。
お久しぶりの乾杯!
コースの最初は「カリフラワーのポタージュ」でお腹を温めます。
最初に内蔵を温める目的で、汁物を出すお店ってちょいちょいありますよね。
心遣いのお通し。生クリームたっぷり…という感じではなく、あっさりすり流し的で、ゆずの皮の香りが効いています。
さくっと寒菊を飲み干し、次は超お久しぶりなこちら。
栃木「仙禽 雪だるま」。
こちらのお店はオーナーさんが仙禽推しなので、仙禽は常に冷蔵庫にストックありそうです。
久しぶりに飲んだ雪だるまは、以前飲んだ時よりだいぶドライになった印象で、キレッキレ。ライトなどぶろくですが、活性が残っているのもあり、オリの雑味や苦みがより切れを感じさせるのに、滑らかな舌触り。
UA雪だるまは別料金で飲めます。
お刺身の盛り合わせは、見た目から鮮度が窺える「わらさ、かつお、真鯛」 ※写真より先に真鯛を食してしまいました…(汗)
真っ赤なわらさは2枚です。雪だるまに合いますね。
次に京都「澤やまつもと 五百万石 守破離」
香り控えめできれいな酒質。やや淡麗めなのでこちらもお刺身に合います。
このあたりから、同席者はお燗に突入。寒かったですしね。
こちらも京都つながりで「玉川 丹後」。さらに「五百万石」つながり。
どうやら地元で出回るお酒のようで1升1980円とかなりリーズナブル。顔みたいなマークの玉川しか見たことなかったので、こちら初見。
寒さの厳しい蔵で一日の仕事を終えたあと、木下酒造の蔵人が夕食とともに楽しむ”ご褒美酒”。たとえ食堂に高価な酒があっても、早く減るのはこの「丹後」。
とのことで、温めてゆるゆるダラダラ飲むのが至福のお酒と見ました。
こちらは初見だった青森「六根 華さやか」。このお酒は四合瓶でした。
青森県で開発された酒米「華さやか」と県酵母を使用した純米吟醸酒。
フルーティーな甘みが特徴で、日本酒がちょっと苦手な女性が飲みやすい印象です。
「酒菜盛り合わせ」が運ばれてきました。
あんきも山椒煮、アボカド奈良漬けチーズ、出汁巻き卵、しめ鯖とガリの混ぜ込み海苔巻き、さつまいもサラダの生ハム巻。
以前伺ったときにも思ったのですが、高級な素材を使うのではなく、素朴な素材を使ってアイデアあふれる創作料理を作られているというお料理の印象は変わらず。
手に入りやすい材料とはいえ、お家で作るのは手間がかかる…手の混んだ酒菜の数々は、こちらのお店にくる甲斐のひとつだと思います。
特に、臭みが出やすいあん肝に山椒、海苔巻きも中に素材を巻くのではなく練り込んでしまう手法は、ありそうで無かった発想で、驚きました。
同席者はゆるゆるとお燗タイム。宮城「乾坤一 純米酒 愛国」。
上槽後タンク火入れを行い、10~15度で熟成。8月に瓶詰めし、米蔵での常温熟成。夏を越し、味に幅とまとまりが出てきて、常温・燗酒に適した味わい。
ラベルに書いてあるとおりに「野趣あふれる味」らしく、酸度が2.9でどっしりしたお燗向き。
私はもう一丁にごりで福島「廣戸川 純米にごり 生酒」。米は福島県産「夢の香」。
このお酒は超人気酒になってしまい、なかなか入手困難に。
他のにごりに比べてやや甘めなのが気に入っていて、年末年始を感じる新酒の一つです。
仙禽推しのお店だからこその仙禽飲み比べ
こちらはコース外の課金ですが、ポップにリブランドした仙禽飲み比べの文字が…
ということで、飲み比べに入っている旧仙禽をオーダー。モダン無垢。
昔の仙禽に比べて、全量生酛になったこともあり、軽快な甘さというよりはどっしりとしたお酒になり、酸味が特徴的になりました。
甘酸っぱいお酒の代名詞だった仙禽ですが、こちらのお酒はやや重量感のある、ちと酸っぱい白ワインの印象。
どちらかがグラスを空けたら、飲み比べセットが供されるとのことで、「九条ネギとはんぺんのお吸い物」で、ちょいリセット。
いよいよ課金の仙禽3種が運ばれてきました。それぞれ30ml。これで500円はかなりお得。
左からレトロ、モダン、クラシックと並んでいます。きれいなびいどろグラスにそそがれていますが、色を見るだけで結構違う。
リブランドされた仙禽は江戸返りをコンセプトにしています。
「江戸返り」とは、江戸時代に確立された酒造法「生もと」に立ち返りつつ、これを現代の視点で再構築し、未来へと受け継ぐ壮大な構想です。
この試みは、単なる伝統の復活にとどまらず、自然と調和しながら新しい価値を生み出すことを目指しています。
- レトロ…「過去に遡る事。古き良きものを懐かしみ愛好する事。まるで20年前を思わせる甘酸っぱい仙禽がそこに。」
生酛作り、雄町、度数13度、生酛酵母、生酒 - モダン…「全量生もとと化し全てのモダンが集結。エレガントな生もと」
生酛作り、山田錦、度数13度、生酛酵母、生酒 - クラシック…「本来の遺伝子を取り戻した亀の尾はその時代に帰り(返り)、酵母無添加と融合する。」
生酛作り、亀の尾、度数13度、蔵付き酵母、生酒
どれも生酛とは思えない繊細な作りで、原酒13度とは思えない重厚さ。温故知新なコンセプトが作りに表現されていました。
モダンは旧無垢に近い味わいですが、これから火入れ、おりがらみ、発泡原酒といろいろ出てくるようなので、こちらにも期待です。
どれが好きか店員さんに聞かれましたが、私は「クラシック」で、同席者は「レトロ」でした。
そいういえば、仙禽を始めて飲んだのも「亀の尾」だったなぁ。雄町も好きだけど。江戸返りならぬ、平成返りの思い出を描きつつ…
生酛に合いそうな、「冬の宝石グラタン」。
白子、酒盗、牡蠣、帆立を蟹のクリームソースで和えている逸品。
同席者は「見るだけで足の指が痛くなりそうなラインナップ」と評していましたが、まさしく通風グラタン。全部が海の味。
酒盗の塩辛さがほどよく、またお酒を進めてしまいます。
まだまだ飲むのです
グラタンやチーズにはやっぱり群馬「群馬泉」ってことで、私も初のお燗オーダー。
枯れた感じの熟成感で、ちょっぴりキャラメルのような香ばしさ。
同席者は茨城の地元酒「武勇」。小川酵母は茨城酵母で、協会10号酵母とのこと。
アルコール耐性が弱く、扱いが難しい酵母とのことですが、それでも地元酵母を使う心意気に地元愛を感じる地酒です。
私は返す刀で山口「天美 辛天」。
フレッシュでありながら芳醇な辛口でどんなお料理にもマッチしそう。杜氏さんが変わって2回めの作りだと思いますが、安定の美味しさです。
こちらは前回もいただいた「りんごの豚巻きフリット」。
衣が発泡したまま固まっていて、ザックザクな衣に包まれたりんごの甘さと、豚バラの肉汁。
こちらも前回このお料理とベストマッチな福島「ハツユキソウ」をオーダー。
今回はぶどう。日本酒を作りながら、ブドウ果汁を入れて一緒に発酵させてしまう「トライアングル醸造」方式。フルーツのみずみずしい甘さと、ドライな切れが新しいジャンル。
バナナやモモもあるそうです。
コース料理はそろそろおしまい。最後が「仙禽雪だるま酒粕使用のもつ煮込み」。
これがにんにくバリバリのパンチの効いたもつ煮込み。その割に塩分は優しく、酒粕感もあまり感じないので酒粕が苦手な人も◎
お料理が最後でもまだ時間がある…もっと飲もう。ってことで、長野の彗(シャア)。
遠藤酒造のお酒はダクダクのにごりしか飲んだことがなかったのですが、軽井沢開催のG7外相会合で紹介された新シリーズのお酒。
今回飲んだのは定番シリーズの「直汲み純米」。適度な切れと爽やかな飲み口。
こちらも初見の「Dry 長さん」。同席者が頼んだ新潟酒。
昭和の時代に、新潟銘醸のテレビコマーシャルで親しまれた「ひげの長さん」が令和に復活!とのことで、地元では話題を呼びそうなラベルなんでしょうね。味わいは淡麗辛口らしいです。
このあたりで確実に酔いを実感し出だしたので…(^_^;)、讃岐クラウディ。低アルコール6%の大人カルピス。
さらに同席者は島根「月山 芳醇辛口純米」。島根酒らしい芳醇で穏やかな味わいが特徴の月山。
最後に「雪だるまの酒粕を贅沢に使用したレアチーズケーキ」。
こちらはコース外の課金で350円。そろそろコースが終わるというころに、スタッフさんが行商に来ます。
そしていよいよラストオーダー。
同席者は山口「東洋美人純米吟醸50」、私は青森「田酒 特別純米」。
スタッフさんが、「最後は定番酒を頼む方が多いんですよ」と言っていて、たくさん飲む人たちが「散々飲んだあとに、これ」にたどり着く定番酒たる強さはこういうところで実感されるのかなと。
スタッフさんが飲んだ杯数を付箋につけているのですが、なぜか私が9杯、同席者が7杯でした(^_^;)いやいや、一緒の量飲んだでしょ。
これだけ飲んでも3合いってないのです。サケラボトーキョーのXの投稿を見るととんでもない酒瓶の種類が並んでいますが、種類を多く飲めるけれど、案外飲む量は多くないのが実態です。
2時間半で4合飲める人はそう多くありません…
相変わらず、ホールのスタッフさんはホスピタリティあふれていてお話しやすく、また前回とは違ったお料理の構成もこのお店ならではの創意工夫に溢れていて新しい驚きを与えてくれました。
あまり御縁のないお酒も楽しめて、「日本酒ビギナー」のお店でもあり、そこそこ知識がある人が訪れても満足できるお店だと思います。
季節が変わり、お料理もお酒も新しくなったころまた訪れたいお店のひとつです。
初めてサケラボトーキョーを訪れた記事はこちら↓↓
[includeme file = "excuse.php"] こちらのお店のYouTubeをよく拝見していて、楽しそうなお店だなーと思い、お邪魔することに。 日本酒ビギナーのお店のようですが、色々知っている人でも十二分[…]
食べログで予約
サケラボトーキョー/Sake Labo Tokyo (十条/バル)の店舗情報は食べログでチェック!『日本酒が好きになる店…