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世界的に有名な奥田政行シェフ。山形のアルケッチャーノのオーナーシェフでもあります。
銀座にある山形プラザのヤマガタサンダンデロも奥田氏が運営する店舗がありますが、新しく東京にお店をオープンするそうです。
その内装を手掛ける方とのご縁が繋がり、一般応募のない特別なイベントに参加することができました。
創意工夫に溢れた多彩なコース料理
お料理の品数の多さにびっくり。
この日は、毎年浦和パルコで開催される一献展に酒器を提供している、カネコ小兵製陶所の方が特別参加。
岐阜にある窯元で、日常を楽しくするうつわを手掛けておられます。
一献展でも提供される「一献盃」にて、形の違う酒器で飲み比べ、お酒の味わいの違いを愉しむ趣向のようです。
最初のお酒はこちら。
ピンクラベルの八反錦初しぼり特別純米酒。
絞ったのは昨年だそうで、フレッシュながら熟成で味わいののったお酒との説明。
奥田シェフはこのお酒を以下の分析されたようです。
あけたては、まろやかな中に絡みとアルコールを感じるきれいなのどごしの、色んな味のかくれた味。
バランスのよい日本酒。味のバランスの良いお酒には味のバランスのよいお料理を。
そして合わせるお料理がこちらです。
お魚のカルパッチョととんぶりとからすみ。
脂ののった白身魚に、香り高く苦味のあるオリーブオイル、食感をたのしむとんぶりと、たっぷりのからすみ。
私が知っている「超簡略的な奥田理論」
同じ色の素材は相性がいい。たとえば、マグロといちご。サーモンにはオレンジ。
また、食材のイメージから合わせる食材を選ぶ。同じ系統と真逆の系統をあわせる。
奥田シェフは、これをチャートにまとめて味の整理をし、マッチングするお料理を導きだされたそう。
こちらはワイングラスと同じ構造をした「ツボミ型」の酒器。
香りを閉じ込め、よりフルーティーに感じる構造です。
今回合わせるお酒は3種に絞ったそう。
八反特別純米初しぼり、八反生もと火入純米吟醸、さらに山田錦純米大吟醸の生もと。
冷とお燗で6種類の味わいに、器の違いによるさらなる変化を感じていきます。
生もと八反純米吟醸酒の火入れに合わせるのは、こちら。
玉ねぎ90℃炒め。湯煎したボウルで玉ねぎを2時間炒めているそうです。
奥田シェフのお酒の分析はこちら。
酸と辛味と香りの浮き立ったのどごしのよい日本酒で、飲み終わった後にのどにぽっくりとしたあたたかい味が残る。
甘みのあるシンプルな料理が合う。
こうしてみると何気ないのに…。
低温調理が流行っていますが、それをさらに昇華させた調理方法。
甘みが十二分に引き出された玉ねぎの食感は生のようにシャキシャキ。
とてつもない手数から引き出される味わいと食感です。
生もとをラッパ型の酒器に入れて頂きます。
香りも味わいもしっかり愉しむための形。お酒は冷とお燗の両方が供されます。
寒中白菜とししゃも。
これらを組み合わせるのか…。凡人にはまったく発想が及ばない…。
糖度の高い白菜に塩分をきかせ、きゅうりやメロンのような青臭さをあえてししゃもと合わせているのだそう。
私の勝手な解釈では、「炙りししゃもを焼き鮎にしちゃった」のかなと。
ししゃもはオスで卵は入っていないので、身をしっかり味わえます。
鶏の酒粕マリネと黄身酢。
しっとりとして塩分の少ない鶏むね肉に、ゴワゴワとした豆もやし。
濃度のある黄身酢で親子のハーモニー。
衝撃のオイル鮨
お寿司にオリーブオイルをかけちゃってます。
サバと脂の少ないマグロの赤身のお寿司。
実は「油と糖質がケーキのような構造」だそうで、これを食べると脳に幸せ物質があふれるそうです。
オイル鮨に合わせるのは、透明なお出汁が美しいお酒を使ったアラ汁。
オリーブオイルはお料理によって変えているらしく、最初のお料理はこちらとのこと。
フレッシュで青く少し苦味のある味わい。半額で販売していたので、思わず購入してしまいました。
そしてこちらのオイルも持ってきて頂きましたが、ググっても全然出てこない業務用。
お料理はまだまだ続きます、穴子と茄子。
荒く刻んだ穴子のシンジョウの下に、叩いた焼きなす。
茄子の皮で作った真っ黒な味変アイテムは、皮ってこんなに甘いを感じるペースト。
焼き茄子と焼き穴子の「焼き」の香りが連動し、穴子の脂身や塩分と、茄子の甘みとクタクタ食感。
考えて食べると情報が多いけれど、何も考えずに食べると、マッチしすぎている不思議なお料理。
まだまだ続くボリューミーな創作料理
伊勢海老の粒状手打ちパスタ「フレーグラ」
お腹もだいぶ満たされてきたところに、どどんと伊勢海老の半身。
身の食感と旨味が、粒状パスタに絡みつきます。
フレーグラをグニュっと噛む食心地よさ、そして小麦の香りと旨味を舌と歯茎の両方で味わいます。
ここでメインの登場です。猪のロースト天童赤根ほうれん草。
低温調理のローストで、猪の脂身はまるでゼラチンのようにブリブリ。
ごっつい骨についたお肉もまた美味で、思わず手づかみでバクっといってしまいました。
またほうれん草の茎の部分が、メロンのような糖度で、通常捨ててしまう部分にこれほどの甘みがあるとは…とにかく驚きです。
白菜の生ハム巻きチーズクリーム。
これは奥田理論満載のヒトサラ。
白菜…甘い、あっさり、煮込んでクタクタ食感、青い、みずみずしい。
生ハム…脂が多い、塩分が高い、火を入れると繊維質になる食感
そこにチーズクリームという、塩分の高さと脂分の多いソースをまとわせ、クルミとプリッツの異なる硬い食感を組み合わせ、なんだこりゃ!だけど、なんか楽しい~。
最後は本日のドルチェ。
濃厚なチーズのムースは予想に反して全然甘くない…
サブレといちごのほのかな甘さを、舌がほんのり感じています。
特別な発酵がほどこされた紅茶をあわせて。
茶葉の濃さとほろ苦さがバージョンアップされて、甘くないデザートの甘みを引き立てます。
今回のイベントで、憧れのシェフにお会いできて、とても幸せでした。
また一献盃の窯元さんにも出会え、藤井社長にはいつも素敵なご縁を頂きます。
いつもダンディでおもてなしをしてくれる素敵な藤井社長。
伝統的なつくりで完全発酵されたお酒は、様々な顔を見せてくれる複雑な味わいです。
今回ご一緒したみなさんと奥田シェフを囲んで。
奥田シェフはここ数年の間、お休みがなく、睡眠時間も2時間だそう。
4年に1度声がでなくなってしまうそうで、今回もやや優れない体調でのイベントのようでしたが、会場の隅々を巡って丁寧にお料理の説明をして盛り上げてくださいました。
そして、いつも思うのです。
人は一流になるほど、サービス精神旺盛で、誰にでもフレンドリーであると。
心もお腹も肝臓も満たされた素晴らしいイベントでした。
ご尽力された皆様に感謝申し上げます。
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