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足利市伊勢町にある「いちえ」さんで、3年ぶりに日下無双の会が開催されました。
日下無双を醸す、日下杜氏は、山口県の村重酒造から佐賀県の天吹酒造に移り新しいお酒を醸しています。
今回は、村重時代のお酒をメインに、天吹で作った日下無双も含め、レアなお酒を飲み比べをするという催しです。
3年間冷蔵庫に保管してあったレア酒
日下杜氏をお迎えしているので、お酒について詳しい説明を聞くことができます。
こういったイベントに出ることはままありますが、作った人にお酒を注いでもらうのは、やはり贅沢ですねぇ。
今回のラインナップはこちら。
1~5は、村重時代のお酒たち。6は天吹で醸した日下無双です。
- 純米大吟醸35 火入れ 山田錦 BY29
- 純米大吟醸45 生酒 山田錦 BY30
- 純米酒60 生酒 西都の雫 BY29 酵母配合違い
- 純米酒60おりがらみ 生酒 西都の雫 BY29
- 純米酒60 生酒 西都の雫 BY31
- 純米酒60 生酒 さがの華 BYR3
お米の種類や精米具合、酵母、BY違い、火入れと生…と、色々な味を一度に楽しめる貴重なひととき。
手の込んだ美しい和食とともに
まずは季節の先付け4品。
奥が炙り鱧、鴨肉の炙り、塩辛。
熟成したお酒には塩辛が無敵。どんなお酒も受け止める塩辛の懐の深さを改めて実感しました。
日本酒には塩辛!鉄板!
お魚で作った「魚造麺」。とても手のかかるお魚の麺。
はんぺんとしらたきを混ぜたような独特な食感で、丁寧にとった冷たいお出汁がかかっています。
白身魚のお上品な甘さが特徴。こちらにも鱧が入っています。
豆から作る濃厚なお豆腐。
いつもは枝豆のピューレが添えられていますが、今回はお塩で味付けされ、オクラの和え物が添えられています。
豆の味を優しく感じる洗練された味。豆乳がかかっているので、一緒に口に含むとツルンとした喉越しが心地よい。
6つ用意されたお猪口に、全部のお酒が注がれます。※3と4が逆だった模様…(^_^;)
色を見るだけで、全然違いますね。
1番の火入れは、時間がお酒を丸っこく熟成させていて、いちえさんのお料理にとても良くあいました。
2番は生熟感が強く、好みは分かれそうでしたが「これが一番好き」と言っている人もいました。個性的です。
4番は澱も熟成していて、ねっとり濃厚、3番は華やかな酵母を多く使っているので、甘さを一番強く感じました。
5番はほど良い熟成が乗っていて飲みやすく、6番は一番フレッシュで、これもいちえさんのお料理に合います。
杜氏に聞いたところ、純米酒に関しては、絞った時の数値が全て一緒だそうですが、酵母の違いや熟成具合で味に大きな変化が出るのが興味深かったです。
夏を感じる旬の味
鱧とトマトの小鍋。
前回伺ったときに、火入れをしすぎてしまったので、途中で蓋を開けて鱧を回収。
キレイな骨切りの鱧はほわほわで、まさに夏の味。贅沢。
特に純米酒と合うのはこちらの二品。トマトのチーズグラタンと手羽先餃子。
チーズや揚げ物は、濃厚なお酒に負けずにいいおつまみになりますね。
手羽先の中には、みっちみちに詰まった明太子。つぶつぶしてます。
鶏の脂と塩分の高い明太子は、まさにお酒のおつまみ。お酒の味をリセットして、また飲めてしまいます。
いちえさんといえば、やっぱりお刺身。
鮪の赤身と、大ぶりであまーいホタテ、炙りフグのほか、赤鶏のタタキとごっつごつのオニエビ。
オニエビは初めて食べましたが、身は甘くてねっとりで、大きな頭に味噌もたっぷり。
基本的には生酒が好きですが、お刺身はやはり火入れのあっさりさが合います。日本酒の旨味がお刺身の旨味を補完して、相乗効果で美味しくなるのがわかります。
トウモロコシのしんじょう。
甘いトウモロコシと甘い白身のお魚を合体。冷たい出汁の餡がかかっています。
夏らしい食材のオクラとそうめん南瓜が添えられていて、目にも彩りと旬を感じる美しいお料理。
〆は小さく握られた食べやすいお寿司。
鮪の赤身と、ヒラメ、フグ、鮭。一口サイズでポンポンと口に運んで、お腹いっぱい。お魚で満腹になる贅沢。
今回は、いちえさんの会員さんが集う定例会にお邪魔する形で、楽しませていただきました。
日本酒は、ワインやウイスキーなどに比べ、時が経つと変化の激しいお酒です。
杜氏ご本人が一番それが怖いとのことで、今回これらのお酒を飲むことで、より自分の作りに自信を持てたとのこと。
自分で作ったお酒を飲める人は限られていますから、作りで大変な時間が多い分、贅沢な時間があるのかもしれません。
今回もいちえさんに大変お世話になりました。美味しいひとときをありがとうございました。