注目キーワード
  1. 中野
  2. 神田
  3. 朱雀
  4. 松の寿

大正にタイムスリップ!東京最古の老舗居酒屋 鶯谷「鍵屋」

※コース料理、アラカルトメニュー、飲み放題の内容などが店舗や期間によって異なる場合があります。ご予約の際は必ず詳細をご確認ください。
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。


初めて下りた鶯谷。駅前には何もなく、昭和感満載の佇まい。

やたらに風通しもよく、東京に寒波が訪れた日でもあり、ふきっさらしで寒さ倍増。

北口から南口に移動する際は、東京有数のラブホ街を通過。探偵らしき人が、浮気調査なのか男性一人で携帯片手にうろうろ。

カラスもやたら多い。私の知らない東京がここにありました。

ラブホと、老舗・名物・迷物居酒屋の街。それが鶯谷。多分…

東京最古の居酒屋に社会科見学

歓楽街はとにかく俗物的だけど、それでも住宅街は新しくきれいな建物が多く、その一角に鍵屋が現れます。

建物だけでも110年という風格の老舗居酒屋。

東京は上野駅の隣の鶯谷にある「鍵屋」は神田の「みますや」とならんで「東京最古」といわれる老舗居酒屋だ。

「みますや」は明治38年(1905年)創業の118年、「鍵屋」は幕末で井伊直弼が大粛清をした「安政の大獄」時代の安政3年(1856年)に酒屋で創業。今でいう角打ちでもやってたらしい。ということは今年177年目になる。

この時点で最古になるけど、お店は昭和49年(1974年)に大正元年(1912年)築の古民家に移転して今に至っている。

創業は「鍵屋」、建物は「みますや」のほうが歴史的に長いということになる。それでも「鍵屋」の建物も110年超の風格物件だ。ちなみに「鍵屋」の初代建物は小金井公園の「江戸東京たてもの園」に移築展示されている。

引用:https://www.dokarefu.com/entry/kagiya

先客がいて、写真撮影中。椅子のカルディの袋は先客が置いたもの(^_^;)ちょっとね…

開店前に並び、予約もして訪れましたが、この日はたまたま予約集中らしく、カウンターの人は1時間半のまでとのお達し。

L字のカウンターに陣取りました。色々な人がここで楽しんだであろう歴史を目視で確認。

店内は煙に燻された茶色の世界。

「鬼滅の刃」の時代背景が大正なので、炎柱の煉獄さんあたりが佇んでいそうです。

大正時代にタイムスリップ…というか、ドラマや映画のセットのような趣で、ここは令和なのか…東京なのか…と極めて異質な空間と空気感。

写真は普段、暖色ライトでもホワイトバランスを整えてしまうのですが、今回はこの茶色の世界を楽しんでほしくて、見たままの世界観が表現しています。

お通しは大豆の煮豆。醤油味。ふっくらやわらかい。

お酒のメニューはこれだけ。シンプル。

お料理はこんな感じ。メニュー表も古木なのも風流を感じます。

ちなみに、お土産もあります。

とにかく寒波にやられて冷え冷えなので、とりあえず熱燗をお願いしました。

大正時代から使っているのか、酒燗器もこの年季。趣を壊さない小物もこの空間の雰囲気を作っています。

女将さんが時間をかけてつけてくれたお燗、櫻正宗と菊正宗を1合ずつ。

アテは、渋々のタタミイワシ。端っこにちょろっとお醤油がかかっています。

うっすら湯気が出ています。出口側だったので、寒くて、極暖フリースが脱げませぬ…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

ここでビールを飲むという選択肢は浮かばず…。

熱燗は身も心も温めてくれました。まさに五臓六腑に染み渡るを久しぶりに体感しました。

更に体を温めるために、煮奴。こちらは湯気ボーボー。

かなり濃い目の醤油味の出汁で、豆腐と少量のお肉を熱々に煮上げてあります。ハフハフ…

この塩分の濃さに、江戸っ子というか東京を感じた次第。なんてことない味に、これまた時代や歴史や風土を感じます。

合鴨串とくりからと日本酒

そろそろ冷酒が飲みたいとのことで(私はまだお燗でもよかったけど…(^_^;))、櫻正宗のクールチェリー。

3本頼んだけど、1本、1.5合入ってて、ちょっと飲むのが大変に…

クールチェリーって名前だけあって、密っぽい甘みのある日本酒。

ここを紹介してくれた酒友さんが、前回美味しかったそうで「合鴨塩焼き」。これに日本酒ってオツすぎます。

あとはくりから。うな重は食べたことあれど、くりから初体験。

脂がしたたりそうな、栄養価高そうな鰻。タレもやはり濃い目。

ずっと「旨い!」って言いながら、脂滴る鰻を日本酒でちびちび。幸せ。

煮奴の汁がまだ残っていたので…

もちろん、だし割り。塩分が濃い目なので、酒感が薄くなって、旨味が多い出汁の味わいに。

冷酒に入れているので、人肌燗くらいの温度でこれも良き。

日本酒をなんとかやっつけたところで、そろそろお時間とのことで、ここはお開きに。

日もくれていい感じの夕暮れ感。さらにただならぬ雰囲気が増しました。ここだけ時空が狂っているよう。

このお店は、ちょい飲みで済ませるほうが粋かもしれません。

 

ちなみに、女性客のみの入店は禁止。もちろん女性の一人飲みも駄目。

「こういうお店は男性に連れてきてもらいなさい」と、女将が言うそうで…※先代の遺言とも

男性が一人いれば、女性が何人でも大丈夫だそうです。最寄り駅は鶯谷ですが、住所は根岸。古き良き江戸文化を体験できる文化遺産です。

 

食べログ

食べログ

★★★☆☆3.50 ■予算(夜):¥3,000~¥3,999…

お店へのアクセス